レーザ(1) [電子デバイス]
レーザ(laser)はLight Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭文字をとった言葉です。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
レーザ光は光の位相と波長が揃っていること、光が広がりにくく直進するのが特徴です。
レーザは光の位相が揃っていることや直進性を利用して測定やセンサに用いられます。今年観測された重力波もYAGレーザを使った検出器が使われました。また、大出力のレーザは材料の加工にも用いられます。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
レーザはその名が示す通り「誘導放出」という現象を利用しています。これは、励起された物質に励起準位と基底準位のエネルギー差に相当する波長の光を照射すると、照射した光に刺激されて電子が同じ波長の光を位相をそろえて放出する現象です。 pic.twitter.com/drpzvG4RaT
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
誘導放出は1個の光子(フォトン)を入射すると、同じ波長で位相が揃った2個のフォトンを放出します。これはフォトンを2倍に増幅したことになります。これを何度も繰り返して光を強くして取り出すのがレーザです。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
レーザがレーザ光を放出する条件(発振条件)として、まず、反転分布を形成していることが必要になります。反転分布とは、最外殻付近の電子が基底状態よりも励起準位に多く存在する状態です。これは励起準位に電子が多くいないと誘導放出が起こらず、光の吸収される割合が多くなってしまうためです。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
反転分布を形成するには外部からエネルギーを投入して物質を励起する必要が有り、これをポンピングといいます。ポンピングには主にフラッシュランプ等の強い光源、あるいは気体レーザであれば放電などによってなされます。
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実際のところ、1種類の原子・分子(あるいはイオンを含まない結晶)では反転分布を形成するのは困難です。これは2準位系ではポンピングにより励起を強くしても、反転分布を形成する前に自然放出により電子が励起準位から基底準位に戻ってしまい、励起状態を維持できないためです。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
反転分布を効率良く形成するためには、2種類の原子・分子を用いて(固体であればイオンを添加する等により)励起と放出の役割を分けます。このようにすると、準位の位置関係により3準位系あるいは4準位系となります。
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3準位系のレーザでは、電子が基底準位(E₁)から励起準位(E₃)に遷移した後、非放射遷移により別の準位(E₂)に移ります。E₂→E₁は放射遷移で、放射遷移の寿命は非放射遷移よりも長いので、E₂に電子が貯まり反転分布が形成されます。 pic.twitter.com/4rBwisTtKQ
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
4準位系のレーザでは、3準位系に加えて基底側の準位を分離し、放射遷移により落ちた電子を別の準位に引き抜いて、放射遷移に関する2つの準位を常に電子と空の準位の対にするようにし、この部分で反転分布を形成するようにしています。これにより4準位レーザは3準位系よりも効率が良くなります。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
もう一つのレーザの発振条件として光共振があります。レーザは誘導放出を繰り返して光を強めるため、光を媒質に何度も当てる必要があります。そのためには媒質の両側を鏡で挟みます。この2枚の鏡を光共振器といいます。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
光共振器の間隔は共振条件を見たす必要があります。つまり取り出す光の波長の半分の整数倍でなければなりません。また、鏡が二つとも完全反射したのでは光が取り出せないので、片側を光が一部透過するハーフミラーにします。 pic.twitter.com/9c8yVwwIC2
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月21日
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