太陽電池(2) [電子デバイス]
活性層が1種類の材料からなる太陽電池は、その材料が持つバンドギャップに対応した波長より短い光子しか吸収できず、吸収されるとその光子の波長によらず、1個の光子につき1個の電子を励起します。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年1月12日
太陽電池の理論効率はAM 1.5の大気条件における太陽光のスペクトルデータを用いて検討されます。計算すると、一つの材料からなる太陽電池では理論変換効率は最大でも30%を超えません。(画像はNRELが公開する太陽光スペクトルデータ) pic.twitter.com/iAYSz12vSy
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単一の材料では太陽光のエネルギーを有効に利用しきれないため、複数の材料を用いて光の吸収効率を上げるタンデム構造や、太陽光の波長を変換して太陽電池材料に吸収される波長に適合させる方法が研究されています。
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太陽光の波長を変換する方法としては、波長の長い光を短波長の光に変換するアップコンバージョンと、逆に波長の短い光を長波長の光に変換するダウンコンバージョンがあります。
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アップコンバージョンには「二光子吸収」や「多段階励起」等の現象を利用する方法が考えられています。長い波長の光2個分のエネルギー準位に励起し、高いエネルギー準位から電子が緩和される際に光が放出されるのを利用します。 pic.twitter.com/Z2knF24aW5
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「2光子吸収」や「多段階励起」は発生確率が低いので、あまり効率良く光を変換できません。そのため、これらの方法ではアップコンバージョンは実用化されていません。
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最近、九州大学で高い変換効率をもつアップコンバージョン技術が開発されました。その記事がこちら
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太陽光:太陽電池や人工光合成を高効率化する“世界初”の技術、九州大が開発 - スマートジャパン https://t.co/AY9rndHNzy
ダウンコンバージョンは「量子切断」という現象により、高いエネルギーの光子を低いエネルギーの光子に分割して光子の数を増やす方法です。図はPr^3+ - Yb^3+イオンペアの例で電子遷移の様子を表しています。 pic.twitter.com/2lXhpbonCY
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多段階励起、量子切断は希土類の性質を利用した面白い現象です。
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図はSIGMA-ALDRICHのニュースレター「Material Matters」Vol.6 No.4を参考にしました。https://t.co/YC7vkzwAng
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