レーザ(2) [電子デバイス]
レーザは光を放出する媒質によって大別され、気体レーザ、固体レーザ、半導体レーザ、色素レーザ、自由電子レーザ等に分けられています。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月22日
CO₂レーザ
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炭酸ガス(CO₂)を窒素やヘリウムに混ぜた気体を媒質とした気体レーザです。発光波長は10.6 μmの長波長の赤外線で、効率は気体レーザの中では異常に高く20 %にもおよび、出力も大きくとれるので金属加工機等に用いられています。
YAGレーザ
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加工機や分析等に頻繁に用いられている固体レーザです。YAGとはイットリウム・アルミニウム・ガーネットの略で、組成式Y₃Al₅O₁₂のガーネットの結晶構造をした結晶です。通常はNd³⁺イオンを添加して1064 nmの波長で発振させます。
Nd:YAGレーザの基本波長は1064 nmですが、第二高調波である532 nmを用いることも多く、半導体の加工等にはこの波長の光を用いられます。またYb³⁺イオンを添加したYb:YAGレーザというのもあり、こちらはより高効率で発振しますがより強い励起光を必要とします。
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エキシマレーザ
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希ガス+ハロゲンガスを媒質とし、紫外域の波長の光を発振できるのが利点のレーザです。混合ガスを励起すると励起状態で希ガスとハロゲンが結合した分子(エキシマ)を形成し、発光して基底状態になると速やかに分解されるため、反転分布を形成しやすいことを利用しています。
現在最先端の半導体製造ラインではArFのエキシマレーザが用いられています。半導体のパターニングは光の回折限界の関係から波長が短い光の方が有利であり、ArFエキシマレーザの193 nmと短い波長は最適です。
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半導体レーザ
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固体レーザや気体レーザは外部光源を必要とするのに対し、半導体レーザは電流を流すだけという特異で簡便な方法によりレーザ光を放出できます。非常に小型で、エレクトロニクス機器に組み込まれ至る所で活躍します。
半導体レーザはLEDと同じpn接合を形成すると同時に、光を放出する活性層の両側をそれよりバンドギャップの高い材料で挟んだ二重ヘテロ接合を形成した構造が特徴的です。 pic.twitter.com/HssWVH65sT
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二重ヘテロ接合は効率よく誘導放出するためにキャリアの閉じ込めと光の閉じ込めを行う効果があります。
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キャリアの閉じ込め
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電子と正孔(キャリア)は半導体全体に共有されているため、そのままでは再結合する確率が低いですが、バンドギャップが低い部分を作るとそこに両キャリアがそこに落ちて溜まり、そこで再結合しやすくなります。
光の閉じ込め
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月22日
半導体でレーザ発振するには活性層のみで光が往復し誘導放出を繰り返す必要があります。半導体はバンドギャップが大きくなると屈折率が小さくなる傾向があり、二重ヘテロ接合を形成すると光ファイバーと同様の構造になり光が接合の外側に出ず、光が閉じ込められます。
初期の半導体レーザは基板の面に対して平行に取り出していました。光共振器は結晶を割ってできるへき開面を利用していました。へき開にはナイフを使用していましたが失敗しやすく、歩留まりがよくなかったそうです。
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後にレーザ光を基板面と垂直に取り出す面発光レーザが開発され、これにより歩留まりや生産速度等も向上したそうです。
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ファイバーレーザ
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月23日
光ファイバーにEr³⁺,Nd³⁺,Yb³⁺イオン等の希土類イオンを添加したものをレーザ媒質とするレーザです。活性域を長くとっても巻いてコンパクトに収めることができ、kWクラスの大きな出力が得られます。近年、加工機に用いられることが多くなりました。
ファイバーレーザのポンピング光源には半導体レーザが用いられます。半導体レーザは小型であるためそれ自体では大きな出力をとれませんが、他のレーザよりも高効率(〜60%)であり、媒質に合った波長を選べるので、大出力のレーザのポンピング光源としては最適なのです。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月23日
ファイバーレーザの発明自体は1960年代からありましたが、最近になって大出力のファイバレーザが開発されるようになったのは、光通信技術の発達により光ファイバーが高品質化したことと、半導体レーザが高輝度・高性能化したことによります。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月23日
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