電解水 [半導体プロセス]
「水道水に電気を通すと酸性とアルカリ性の水に分解されたときのアルカリ性の水」がどうやら「マイナスイオン水」だそうだ...何言ってるのかさっぱりわからない
— 宙ぶらりん (@the_Dangling) 2016年3月6日
水を電気分解して「酸性水」と「アルカリイオン水」を製造するというのは実際にあります。(普通『マイナスイオン水』とは言わない。他に「陽極水/陰極水」という言い方がある)
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月7日
酸性水/アルカリイオン水は工業洗浄の用途に使用されることがあります。
酸性水/アルカリイオン水はまとめて電解水と呼ばれます。電解水は塩化ナトリウム(NaCl)を加えて通電するため、陽極側にCl⁻イオンが、陰極側にNa⁺イオンが入り込みます(不純物を避けるべき用途ではNa⁺イオンが陰極側に入り込まないように工夫されている場合もあります)。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月7日
特許庁HPの技術解説にも電解水の製造方法が載っております。https://t.co/W9w2Uhs7vp
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月7日
半導体産業分野では、電解水はパーティクル除去や金属イオン残渣の除去に用いられることがあります。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月7日
また他の工業分野では脱脂の用途に用いられることがあります。
半導体関連の展示会等で電子産業用の電解水製造装置が出展されることがあります。有名なメーカーはオルガノさんですかね。https://t.co/b4KiRrPaMu
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月7日
オルガノさんでは電解水の他に、水素水、オゾン水、脱気水などの製造装置を製造されています。これらの水はまとめて「機能水」と呼ばれています。健康・食品分野ではかなり疑わしい効果が謳われていますが、工業洗浄分野ではある程度実績のあるものです。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月7日
ミニマルファブ [半導体プロセス]
半導体製造のビジネスは基本的に大量生産を前提にしており、少量の生産では利益を上げにくい構造になっています。これは半導体製造には非常に多くのコストがかかるためです。半導体製造の設備は非常に高価で、新規の半導体工場を立ち上げるのには5000億円程度必要と言われています。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月1日
近年、「ミニマルファブ」の開発が進められています。これは、従来大きな製造設備を並べて作られていた半導体工場(ファブ)に対し、小さな製造機械を並べることにより一連の製造工程が一部屋に収まる程度の製造設備を実現するという構想です。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月2日
ミニマルファブはその小ささゆえに大量生産には向かないですが、設備投資額が抑えられるため少量の生産に適しています。これは従来の半導体製造における弱点を補っており、これがミニマルファルの開発の狙いのなのだそうです。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月2日
電子デバイス産業新聞 のミニマルファブについての記事
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年3月2日
ミニマルファブがニッポン半導体を救うhttps://t.co/1IdRIUd8kA
エピタキシャル成長 [半導体プロセス]
フランス語で「麦の穂」という意味がある、棒状の生地の両側に切れ込みを入れて焼いた、フランスのパンを何という?【エピ】
— 語壷bot (@qPod_gogogo) 2016年2月21日
主に電子デバイスの製造において、単結晶基板上に、基板と同種の、または異種で結晶の形状及び格子定数の近い材料の単結晶薄膜を成膜する技術の略語は何という?【エピ】
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
単結晶基板の上に単結晶の膜を成長させる技術です。この方法での結晶成長をエピタキシャル成長と言います。略してエピ。エピタキシャル成長で成膜することをエピ積み、出来た膜をエピ膜とか言います
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
基板と同種の材料を成長させる場合をホモエピタキシャル成長、異種の材料を成長させる場合をヘテロエピタキシャル成長と言います。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
ホモエピタキシャル成長は成長と同時に不純物を均一に添加させたり、より高品質な表面を得たい場合に用います。結晶は一般に成長速度が遅いほうが緻密で高品質になりやすいため、バルク結晶(基板)よりもホモエピタキシャル膜のほうが欠陥が少ない結晶になります。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
ヘテロエピタキシャル成長は、LEDやレーザダイオード等で組成を変えた膜を積んで量子井戸を形成する場合や、バルクの結晶が存在しない場合等に用いられます。窒化ガリウム(GaN)のLEDも発明当時はGaNの基板がなかったためサファイア基板にヘテロエピタキシャル成長して作られました。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
ヘテロエピタキシャル成長では、基板と膜との材料結晶の格子定数に差があると結晶の歪みができて、界面にミスフィット転位という欠陥ができやすくなります。そのためできるだけ格子定数の近いもの同士が好ましいのですが、差が大きい場合でも整数比になる場合は良好に成長する場合があります。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
格子定数ミスマッチ(基板と膜の結晶の格子定数の比)が大きいヘテロエピタキシャル成長を行う場合は、目的の膜を成膜する前にバッファー層を積んで歪みを緩和するということが行われます。バッファー層にはアモルファスや超格子が用いられます。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
GaNとサファイアは格子ミスマッチが16%と大きく、そのままヘテロエピタキシャル成長すると多数の欠陥が入り、電気特性が悪化します。そこでサファイア基板の上に薄いAlN膜をアモルファス状に堆積させ、その上にGaNを成長させると歪みが緩和されて欠陥が減少します。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月21日
ウェット酸化 [半導体プロセス]
半導体シリコンの酸化方法には、酸素ガスを用いたドライ酸化と、水を用いたウェット酸化があります。中学校の理科の教科書には熱した水蒸気で紙を焦がす写真が載ってたりしますが、ウェット酸化はまさにあの原理で、熱した水蒸気の強い酸化力を用いるのです。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月17日
ウェット酸化はドライ酸化よりも酸化速度が速いのが特長です。ウェット酸化は、かつてはガラス管に入れた純水を熱して水蒸気を送り込むスチーム酸化という手法が用いられていました。しかし純水を用いていいるといえども不純物を持ち込みやすいという問題がありました。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月17日
MOSFETのゲート酸化膜は直接デバイスの電気特性に効いてくる部分であるため、不純物が入ると電流がリークして故障の原因となります。そのため不純物を持ち込みやすいスチーム酸化はゲート酸化膜の形成には用いることができませんでした。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月17日
液体と比べると気体は高純度化しやすいため、ゲート酸化膜の形成には酸素ガスによるドライ酸化が用いられていました。その後、水素ガスと酸素をウェハー到達直前に反応させて水蒸気にして酸化するパイロジェニック酸化というウェット酸化手法が開発され用いられるようになりました。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月17日
ウェットプロセス [半導体プロセス]
半導体プロセスの分類には、真空中でガスやプラズマにより処理を行うドライプロセスと、純水や溶液により処理を行うウェットプロセスという分け方があります。液体は不純物やパーティクルを持ち込みやすく管理が難しいためにウェットプロセスは嫌われる傾向がありました。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月9日
ウェットエッチングからドライエッチングへの転換をはじめとして、一時期は半導体の全てのプロセスをドライプロセスに置き換えようという動きがありました。しかしそれに逆行するように「めっき」と「CMP」という新しいプロセス、さらに露光法として「液浸露光」という新たな方法が導入されました。
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月9日
めっき
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月9日
一般にも用いられている、電気化学的に表面に金属膜を堆積するあのめっきです。半導体プロセスでは金属配線の成膜に用いられます。気体では到達が難しい深溝に膜を形成できるという利点があります。
CMP (Chemical Mechanical Polishing)
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月9日
化学的作用と機械的作用の両方を用いた研磨手法です。半導体上に堆積した膜のうち余分な部分を除去して平坦に加工するのに用いられます。
半導体集積回路上の配線は膜の堆積と除去を繰り返して形成されますが、積み重なるうちに下部の構造により堆積した膜が歪んだ形になってしまいます。そこでCMPにより層ごとに平坦にすると、歪みなく配線を多数積み重ねられるようになります。 pic.twitter.com/kJvRlYBc5h
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月10日
CMPの導入によりダマシン法という新たな埋め込み配線の形成法が提案され使えるようになりました。図のように溝の上部まで金属を堆積させた後、CMPにより絶縁膜の高さまで削って埋め込み配線を作ってしまうという手法です。 pic.twitter.com/cceR32dJbx
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月10日
液浸露光
— ヒサン@電子材料勉強中 (@Hisan_twi) 2016年2月10日
リソグラフィプロセスにおいて形成する配線幅の限界は解像度で決まります。解像度は光源とレンズが同じなら媒質の屈折率で決まります。空気では屈折率は1.0ですが、液浸露光ではレンズとウエハの間を純水で満たし屈折率を1.44にすることで解像度を上げます。